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海外の喘息患者に学ぶ、無理なく続ける生活の工夫

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毎日の生活の中で喘息と付き合っていくのって大変!

日本では「完璧な環境づくり」を目指すあまり、私たち患者に過度な負担がかかっていると感じることがあります。

海外の喘息管理はどうなのか、調べてみました。

米国・英国に見る実践的なアプローチ

英国喘息・肺財団のガイドラインでは、完全なアレルゲン除去より「主要なトリガーへの対応」に焦点を当てています。寝室の環境整備を優先し、特に枕カバーと掛け布団カバーに防ダニ素材を使用することで、大幅な負担軽減が可能です。全部屋の完璧な清掃より、就寝空間の空気の汚れを減らす考え方です。

米国では「ゾーン管理」という考え方があります。自宅の全スペースではなく、自分が最も時間を過ごす「ゾーン」(寝室やデスク周り)を重点的に管理する方法です。全てを完璧にするのではなく、優先順位をつけるこのアプローチは、精神的にも身体的にも負担を減らせます。

食事療法のリアルな解釈

オーストラリアの専門家たちは、「バランスの良い食事」を現実的に解釈しています。野菜を何グラムという厳密な管理より、抗酸化物質を多く含む食品を日常的に取り入れるシンプルな指針を推奨しています。「完璧な食事」ではなく、炎症を抑える食品(ベリー類、オリーブオイル、魚など)を意識的に増やす方が継続しやすいという考え方です。

可能な範囲で

カナダの喘息学会では、個人のアレルゲンを特定して、発作の引き金になるものを可能なら避ける、という考え方です。HEPAフィルターやカーペットの撤去など、数種類の対策をするとより喘息症状を軽減する可能性があります。ですが有効性には個人差があるため、一律に何かを推奨しているわけではありません。

海外の喘息の環境整備に学ぶこと

自分が吸う空気をなるべくクリーンにするという点では、どの国も同じ。

自分にとって「息切れせず」続けられる管理法を見つけることが喘息との共存には大切ではないでしょうか。

海外の環境への考え方をヒントに、自分なりの「喘息に優しい生活」を編み出していきたいですね。

参考サイト:
Improving indoor air quality | Asthma + Lung UK
Diet rich in fish helps fight asthma, News La Trobe University
Guideline Update Diagnosis and management of asthma Canadian Thoracic Society 2021

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