チョコボンボン一粒でヒューヒュー言った私の体験から
1. まずは“あるある” 私の実体験
友人からもらった可愛いチョコレートボンボン。ひとかじりした瞬間、胸がキュッと締めつけられ、笛のようなヒュー音が――。
さらに飲み会では 自分は一滴も飲まない のに、隣席の「アルコールの匂い」を吸い込んだだけで咳込み退散。
ところが アルコール綿や手指消毒 ではまったく平気。
いったい何が違うのでしょう?
2. アルコールで発作が起こる3つのメカニズム
メカニズム | ざっくり解説 | ピンポイントで注意したいもの |
① アセトアルデヒド → ヒスタミン放出 | エタノールは体内で分解される過程でアセトアルデヒドが一時的に急増。東アジア人の約半数が ALDH2 遺伝子の働きが弱く、ヒスタミン(気道を縮める物質)が大量に放出される。 | ビール、日本酒、カクテル系全般 |
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② 亜硫酸塩(サルファイト) | 酸化防止剤としてワインやビールに添加。揮発しやすく、飲むときに SO₂ を吸い込む形で気道に届く。 | 白ワイン、シャンパン、缶チューハイ |
③ ヒスタミンそのもの | 発酵・熟成中に生じるヒスタミンを飲食時に摂取し、直接気道に作用。 | 赤ワイン、チーズ入りスナック、熟成チョコ[jstage.jst.go.jp][1], [asthmaandlung.org.uk][2] |
アルコール綿・手指消毒が大丈夫な理由
* 吸い込む量がごくわずかですぐ揮発するから
* 皮膚経由での血中濃度上昇は極めて微量だから
* ヒスタミン放出レベルまで達しないので
3. “隠れアルコール”ד吸入”が危険なワケ
食品のアルコール分は想像以上に揮発例:パウンドケーキ・味噌漬け・奈良漬け → 切る・温めると蒸気が出て気道へ。
隣の人の吐く息に含まれるエタノール&アセトアルデヒド量は“1 割”でも十分トリガーに。飲み会で症状を訴える喘息患者は約 55 % との報告も。([jacionline.org][3])
4. 飲み会を安全にするベスト5 Tips
1. 飲み会は「下戸席+窓側」キープ
空気の流れがあるだけで発症リスクを大幅低減。
空気の流れがあるだけで発症リスクを大幅低減。
2. “ノンアル”表示でも原材料チェック
料理酒入りソース・ラムレーズン入りアイスは要注意。
3. 症状日記アプリに “飲酒周囲要素” を記録
自分の閾値(距離・量・時間)が見える化。
4. 万一のときのレスキュー薬をポケットに
β₂刺激薬+抗ヒスタミン薬で「その場しのぎ」可。
5. 周囲への伝え方は “明るく&具体例”
「チョコボンボンでヒューヒュー鳴く」インパクトを添えると理解されやすい。
5. 質問コーナー!
Q | A |
アルコール入りスイーツ全部ダメ? | アルコールを熱で飛ばしたものなどは大丈夫な場合も。製造元の問い合わせが確実。 |
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低ヒスタミンの“安全なお酒”は? | 蒸留酒(ジン・ウォッカ)が比較的低リスク。ただし個人差が大きいので初回は少量で様子見。 |
ALDH2 遺伝子検査はすべき? | 家系にお酒ですぐ顔が赤くなる+喘息歴が多い場合は一度調べると予防策が立てやすい。※ |
※遺伝子検査でアルコール分解能力が低いと分かれば「遺伝子検査で MM 型 と出たので命に係わります」とエビデンスを示せるのでアルコールを断りやすくなります。でも禁酒しているなら必要ないかも。
6. まとめ ― “乾杯”を楽しむための次の一歩
アルコールは「飲む量」より「吸い込む量」が盲点
お酒はもちろん、空気中に漂っているアルコールや、食品に含まれる微量のアルコールに注意!ヒスタミン&サルファイト → 気道収縮ルートを理解
チーズ入りスナックや赤ワインなどヒスタミンが含まれる食品や亜硫酸塩は気道収縮作用があるので気を付けて!環境・食品表示・自己観察の3点セットで“回避スキル”を磨く
ヒューヒューアルコール検知器が過敏になっているときは、食品表示にないアルコールでも過敏に反応することがあります。ヒューっとなった食品を覚えたり、少量食べて平気だったら食べるなど工夫して乗り切りましょう!参考サイト
[1]アルコールと呼吸器疾患 | www.jstage.jst.go.jp
[2]Alcohol and asthma | Asthma + Lung UK
[3]エタノール負荷試験での発症率(55 %)報告| www.jacionline.org
[4]アルコール誘発喘息| www.jstage.jst.go.jp
[5]Sulfite Sensitivity - Australasian Society of Clinical Immunology and ...| www.allergy.org.au
この記事は医学的助言に代わるものではありません。症状が続く場合は専門医に相談してくださいね。