吸入ステロイドって聞くと「強い薬じゃないの?」と心配になる方も。でも実は、飲み薬に比べると“ケタ違い”に少ない量なんです。
ステロイドの量のちがい、パッと見図解

コップの水にたとえると…
プレドニン5mg(飲み薬)= 5000μgのステロイド → コップ1杯
フルティフォーム125(吸入薬)=125μg → ティースプーン1杯
例えば
体重40㎏の人は発作時に一日20㎎(200000μg )程度飲み薬のプレドニンを処方するとガイドラインにはあります。
フルティフォームは中用量で125マイクログラムを朝晩2プッシュずつ(合計500μg)
こちらで比べた場合40倍も飲み薬のステロイドのほうが多い換算になります。
→ざっくり 1日の吸入のステロイド量は、飲み薬の10分の1〜100分の1程度ちなみに成人の場合、プレドニン3-5mg(3000-5000μg)の相当のステロイドが毎日体内から分泌されています。(*1
吸入ステロイドのメリットは?
吸入は「肺に直接届く」ため、ごくごく少ない量で効果があります。
吸入ステロイドは、ほとんどが「肺の表面」で作用し、体内にはほとんど吸収されません。
一部が吸収されても、肝臓で分解されるので血中濃度が上がりにくい。
飲み薬のステロイドにあるような全身の副作用(ムーンフェイス、骨粗しょう症など)は極めて出にくいのです。吸入ステロイドのデメリットは?
吸入ステロイドは、口内炎(カンジダ)や嗄声(声がれ)は起きやすいので、吸入後のうがいが大切。裏技では歯磨き前や食事の前に吸入すると楽ちんです(※個人の感想です、推奨しているわけではありません)うがいが大切ですよ。
「症状がないときは、吸入ステロイドをやめてもいい?」
症状がないときに毎日吸うのは、たしかに難しい。
でも、喘息の炎症は、症状がなくてもくすぶっていることが多いのです。完全に中止できるかは、以下の3点が目安になります * 3か月以上、発作がない * 夜間や朝方の咳が出ない * 運動や風邪でもゼイゼイしない |
→ 自己判断で中止せず、医師と相談して「減量」→「中止」を検討するのが安心です。
まとめ
吸入ステロイドは、“炎症を静かに抑えてくれる日々の守り神”。
少ない量で大きな効果があるからこそ、うまく付き合っていきたいですね。
参考サイト
*1)一般の方へ|日本神経免疫学会 | www.neuroimmunology.jp
JSA_tebiki2025.pdf | www.jsaweb.jp
Global Initiative for Asthma - Global Initiative for Asthma - GINA | Global Initiative for Asthma - GINA