吸うのが苦しいときに、あえて吸う治療って、不思議に思うことありませんか?
それでも吸入ステロイドはとても有効な治療法
こんにちは、喘息患者ライターのえあぞんです。まず、今の喘息治療で一番の主役は「吸入ステロイド」。これが広く使われるようになってから、喘息で命を落とす方の数は劇的に減ったんです。日本では1995年くらいから本格的に導入が進みました。まるで強敵に立ち向かうための最強装備ができたみたいですよね。
・Jstage 疫学:有症率・死亡数の推移吸入ステロイドの矛盾点
吸入ステロイドは喘息の一番効果のある治療法(標準治療)で、私としても有効な治療法だと実感しています。病院によっては吸入指導もあり、テキトーに吸わないよう気を引き締めてくれるのでこれもいいと思います。
・チェンジ喘息!喘息治療のステップ
・日本医師会HP:成人気管支喘息診療のミニマムエッセンス
でも、息苦しくなるときほど「吸入」がしにくいのも事実。具合が悪くなりはじめの段階ですでに気管支は狭くなっているから、薬が届きにくいんです。このあたりが「自覚症状がないうちに吸入ステロイドで治療」しきれない根本原因なのではと思います。
苦しいと感じるほど悪化してから吸入ステロイドの量をふやしたり(SMART療法など)しても時すでに遅しになりがち。すでに吸う力が弱まっているので普段より薬剤が気管支に届いていないのです。ここが「吸うのが苦しいのに、吸って治療するなんて矛盾してる!」と感じるところです。
吸入のテクニック
そこで私が心がけているのは、発作までいかなくても怪しいとき(ピークフローの数値が下がっている、去年同時期に発作があったなどの時)には、まずベータ刺激薬(気管支を一時的に拡げる薬)を吸って少し待ち、気道が広がったところで吸入ステロイドを使う方法。
医師によっては指導が異なる場合もありますが、こうするとずいぶん吸いやすさが違います。エアゾル形式ならスペーサーを使うと、さらに深く気管支に届けられるのでおすすめ。特に吸う力が弱い方はエアゾル型の吸入ステロイドとスペーサーの導入をおすすめします。
このテクニックは人によっては使えない場合もあるので必ず主治医に相談してから自己責任でお願いしますね。
ゆっくり吸えるミスト形式の薬(たとえばスピリーバなど)がもっと増えたらいいな、と期待しちゃいます。
ここで一句:吸入をしたいときには息吸えず~
みんなも深呼吸をゲットじゃぞ!